2020-08-01から1ヶ月間の記事一覧

災異説におけるコロナ論 第十七話

思ってなかった質問に川中島は一瞬、意識がフリーズした。 解決策だと? コロナの五行的解析だけ考えていた川中島にとって、思っても見なかった質問である。 春日はこうした川中島の心中を見透かすように、問いてくる。 「問題の批評だけだったら、誰だって…

災異説におけるコロナ論 第十六話

さて、今回の川中島が指摘した、金尅木の関係性である。 よく、陰陽道物で、五芒星という星型の形を見ることがあると思う。 あれは、五行論においては、上記の五行同士の関係性の相剋を表している。 この五行内の関係性には、二種類あって、相生と相剋の2つ…

災異説におけるコロナ論 第十五話

五行論は、世界の全てを、分類整理する古代思想である。 そして、その分類法は、別に五つでなくても良い。 例えば、八卦のシステムなら8パターンでもいいし、易ではさらにそれを重ね合わせて、8×8の64パターンの卦を構築する。ぶっちゃけ、分類数は、いくつ…

災異説におけるコロナ論 第十四話

明らかに、春日はご機嫌斜めである。 何か、お気に召さない返答だったようだ。川中島が、何かまずったかな?と不安になるも、説明を続ける。 「もちろん、金と木は相剋の象徴として、木材を金属で切り倒し加工する意味に取れます。中共以前から中国文明は、…

災異説におけるコロナ論 第十三話

木火土金水(もっかどこんすい)の五行は、世界そのものを分割する機能を持っている。逆に言えば、木火土金水の五行で世界の全てを構築しているのだ。 そのため、人間の内臓も、それぞれ五行に属しており、俗に言う、五臓六腑とはこのことを指している。 さ…

災異説におけるコロナ論 第十二話

世界は数で出来ている。 洋の東西を問わず、この、同じような思想が存在するのを見ると、人間の生得的な欲求なのであろう。 古代ギリシャでは、この世の根源原理は水である。または火である、いや原子であると、哲学者たちが究明に勤しんだ。そのバリエーシ…

災異説におけるコロナ論 第十一話

五行論は、中国における世界認識の思考の枠組みである。 今風に言えば、フレームワークである。世界や宇宙を、木火土金水の5つの元素(エレメント)で成り立っているというシンプルな古代思想でもある。 元々、陰(マイナス)と陽(プラス)の陰陽2つだけ…

災異説におけるコロナ論 第十話

一神教は、前世に関わる教義は、基本、保持していない。 死後の来世の教義はあるが、前世の概念がすっぽり抜けているのである。 現代のような欧米のスピリチュアリズムは、輪廻転生の教義を白人でも話すが、それは近代以降の東洋思想の逆輸入である。 本来の…

災異説におけるコロナ論 第九話

実は、日本人はあまり知られていないことだが、世界宗教である一神教では因果応報論は採用されていない。 もちろん、善が報われ、悪が裁かれるという観念は、当然、一神教でも存在する。 神の裁きや天誅という概念は、一神教文化圏でも存在する。 しかし、絶…