五行と陰徳⑱ 悪→善パターン

 

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悪→善

 

さて、グダグダ書いてきた五行論と仏教の悪魔的合体も、ようやく終わりです。

今まで、五行の相生・相剋の10パターンを見てきました。

 

元々、このコンテンツは、五行の木火土金水を仏教に当てはめて相生相剋の関係性を思考実験したものです。

 

というより、ぶっちゃけ、そんなことするよりも、普通に、五行の仁義礼智信の相生相剋の関係性を説いた方が有益な気がしてならないのですが、まあ、こちらは別途やりましょう。

 

五行はこの悪→善で一旦閉じて、また陰騭録の功過格に戻ります。

 

さて、ラストの悪→善のパターンです。左下から上への相克関係ですね。

これは、簡単で、悪人の方が善人より強いからです。

まあ、そう言ってしまうと、ここで話が終わってしまうのですが。

 

戦争などを見てもわかるとおり、敵軍を殺すのに仁義は無用です。

いかに効率的に残虐に敵を殺すのかが戦争に勝つコツで、仁義を説いているのんきな軍だとあっけなく消滅してしまいます。

 

そもそも論として軍で敵軍を殺すという存在自体がすでに悪なのです。

集団の倫理のために敵軍を殺すというのは、その時点ですでに一般倫理道徳を踏み越えています。

 

これは、古今東西の宗教が頭を悩ませている問題で、まあ、日本でも憲法9条の問題でさんざん神学論争が歴史認識問題含めて、論議されてきたので今更な話でしょう。

 

あと、軍事に関して言えば、戦争は常識を超えた作戦で相手の意表をつくのが効果的なので、旧来の常識に捕らわれていることも敗因となります。

その点、悪人は、旧来の常識=たいてい倫理道徳と一緒の固定観念に囚われていないので、この点でも善人に勝ってしまいます。

 

例えば、創作物でも正義のヒーローは人質を取られると何も出来ません。

まあ、創作物(フィクション)だと、実際、なんとかしてしまうのですが、実際に人質を取られるとその時点で正義のヒーローは詰んでしまいます。

 

要するに善より悪の方が圧倒的に強いのです。

 

悪→苦→善

 

 まあ、こういう身も蓋もない現実があるという話なのですが、じゃあ、どうすれば良いのか?という話に当然なっていきます。

 

 そこで、悪→善の間にある、苦の存在で仲介するのです。

ぶっちゃけ言えば、努力量です。

悪のほうが強いというのは上記しましたが、しょうがないのでそのハンデを埋めるため、善側は努力量でなんとかするしか無いのです。

 

元々、五行論だと金(悪)→水(苦)→木(善)です。

道徳だと、義→智→仁です。

義は軍事力なので、仁の優しい人間は暴力に勝てないのですが、智を働かせることでなんとかなるのです。

 

そして、智慧というのは努力なしには獲得出来ません。

頭の良い人に聞きに行くにも、本を読むにも努力がいります。

自分で頭を捻って考えなきゃいけないでしょうし、体験から学ぶ必要もあるでしょう。

 

ただの善人では悪人には勝てないのです。

 

ついでに、もう一つ、裏を教えておくと、これは、本当の善人になるのは悪人を経る必要があるということでもあります。

輪廻転生の裏話として、

優しいだけの善人だと役に立ちませんので、悪人に生まれ変わったり、悪をせざるをえないようなハードな環境に生まれ変わって、悪の手口を学んで、経験を積んで、役に立つ善人になるという、あまり言っちゃいけない話でもあります。

 

さて、次回からは陰騭録の連載の方に戻りましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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