災異説におけるコロナ論 第十六話

 さて、今回の川中島が指摘した、金尅木の関係性である。

 よく、陰陽道物で、五芒星という星型の形を見ることがあると思う。
 あれは、五行論においては、上記の五行同士の関係性の相剋を表している。

 この五行内の関係性には、二種類あって、相生と相剋の2つが存在する。

 相生は、親と子のように、文字通り、お互いの関係から生まれる順調な関係で。
 対して、相剋は、敵対して潰す関係となる。

 上図をご覧頂きたい。
 →の向きで、外の円周と内側の五芒星の、相生と相剋の関係があることがわかるであろう。
 円周する外側の流れが、相生であり、木→火→土→金→水→木と、順調に流れていく関係である。
 対して、内側の流れが、五芒星の流れが、相剋であり、木→土→水→火→金→木と、傷つけ合う異常なエラーの関係である。

 そして、金から木の尅する関係というのは、本来、木→火→土という相生の自然なルートが遮断され、金と木の関係が相剋の状態で衝突している状態、金が木を尅す(殺そうとしている)ということである。

 とは言え、厳密に言えば、異常な状態というのは語弊がある。強いて言えば、自然的なデフォルト状態に比べて人為的と言った方が良いかも知れない。

 金尅木も、木火土金水のメタファー(象徴)で言えば、金属の斧が木を切り倒し、木材にすると言う形である。ハサミが花を切り取り、鎌が稲を刈り取る形象でもある。人類の文明は自然を開拓し開発し資源にしていくことで発展しているのである。

 さて、五行はそれぞれ人間の高次な精神である、仁義礼智信五常に対応することは、以前に述べた。
 金は義で、木は仁である。この尅の関係を、五常で言い換えれば、金の正義が、木の仁愛(慈悲)を殺す関係となる。
 文字通り、無慈悲な関係である。もっと言えば、無慈悲・残虐と言う概念を、表しているといえる。

 逆に言えば、相生相剋合わせて10パターンしか無い五行の体系に、これが入っているということは、無慈悲残虐とは、普遍的な概念であることがわかる。

 そもそも、人間は生存のために、他生物どころか、同種の人類ですら殺す生物である。
 およそ生きている限り、社会の中で、倫理規範の道徳のため、守るべき物のため、悪を撃ち、正義を守るために戦わなければならない。
 だが、どんなに言い繕っても、それは敵という他の生物を殺すことでもある。

 あらゆる宗教は、殺すなかれという教えを説く。
 それにも関わらず、現実問題として、人は人を裁き、公的に刑罰や戦争で殺すのである。
 その根底には、己の生存のため、他生物を殺して食って生き延びるという業がある。
 
 ここに、人間という存在の矛盾がある。
 文明を発達させ、社会道徳を発展させていけば行くほど、この矛盾は深刻化する。

 なぜなら、文明が発達すれば、所属する集団が巨大化し、必然的に「敵」「悪」の規模も比例して巨大化するからである。先の大戦では人類史上屈指の死者数を叩き出した。次の大戦では億を超えるであろう。

 21世紀の現代であっても、平時と有事(戦時)では、求められる道徳が違う。
 平時で人を一人殺せば殺人犯であるが、戦時で百万人殺せば英雄である。

 何も国同士の戦争だけではない。資本主義という別カテゴリの、経済「戦争」でも、グローバルに企業間同士で殺し合いをしているのである。

 それどころか、企業内、果ては家庭内ですら、規模の大小に関わらず、全体の利益のために不要な悪を討つ業を持つのが人間である。

 どんなに繕ったところで、禁忌の殺しを回避しても、無力化する、追放するなどの、非道な罰を打てなければ、組織は成り立たない。
 業績が悪いのに、リストラをしなければ、企業全体が潰れてしまう。
 老人を山に捨て、赤子を水に漬けなくては、家が全滅してしまう。
 
 正義のために、人は他者を殺すのである。 

 五行の義も、基本、正義のために剣(金属)を取って、無慈悲に敵を討つ象形である。順調な相生ルートで行っても、金から水は屍山血河の象意である。

 しかし、何事もバランスというものがある。

 正義という大義名分が暴走すれば、無用な殺戮を巻き起こし、残虐な風評はいらぬ敵を作り、国家予算を食い潰し、個人と国家を滅ぼすに至る。
 大日本帝国を例に挙げるまでもなく、人類の歴史である。

 国家公認の暴力を有する警察が、厳格な手続き無しで逮捕・監禁、銃を発砲するマーダーライセンス(殺しの免状)を持ち、取り調べに拷問を日常的に駆使するような国は、少なくとも21世紀には批判は免れない。
 何事もTPO(時と場所と場合)のバランスである。
 
 五行論も然り。
 金の正義も、しょせんは周りの環境とのバランスである。イスラム文化圏で泥棒の手を切断するのは正義でも、日本で行ったら問題行為である。残虐さの閾値、許容値も時代や国によって異なる。

 今回のコロナ騒ぎのように、金と木の相剋エラーが発生しているということは、このバランスが狂ったことを意味する。
 発生源の中共が、国家レベルで、災異説的に、21世紀の地球の人類の文明レベルで、このエラー状態になっていることを示している。
 中共の、未熟な国家秩序と言う大義の元の、少数民族を百万人単位で虐殺し、強制収容所に入れている蛮行、21世紀のファシズム国家としての矛盾が、五行の金と木の相剋エラーになっていると見るのである。

中共の仁を損なう金尅のエラーが、木の象意の風邪や風説・風聞の醜聞になり、かつ、金気が過剰になり、五臓の該当する肺を痛めているため、肺の気管支の疫病(コロナ)ということになります」

「然り」

 どうやら、想定した解答に納得してくれたようだ。
 ホッとする川中島に、春日が更に畳み掛けた。

「して、それを解決する陰陽は?」

「え?」

 

 

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 災異説におけるコロナ論 まとめ

 

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