災異説におけるコロナ論 第十一話

 五行論は、中国における世界認識の思考の枠組みである。 

 今風に言えば、フレームワークである。世界や宇宙を、木火土金水の5つの元素(エレメント)で成り立っているというシンプルな古代思想でもある。

 元々、陰(マイナス)と陽(プラス)の陰陽2つだけの要素であったが、時代が進むにつれて細分化した五行論と合体して、陰陽五行論となって今に至る。
 これが、暦や十干十二支や易も含めて、東アジアの時間や空間の指標となった。
 
 具体的に言えば、冒頭のような図が五行論である。
 木火土金水の5つの要素と、その関係性の図となる。これで世界の全てを記述するのだ。

 旧暦に馴染みのない現代人が見ても意味不明の図だが、古代思想なので設計思想は極めてシンプルである。

 遥かな昔、古代人が天候を見ると、単純に陰と陽を、見つけることが出来る。
 太陽が出ている朝~夕方の時間と、太陽が沈んでいる夜の時間帯である。
 また、単純に、自然を観察しても、男女の雄と雌の陰陽は、もっとわかりやすい。
 敵か味方かという、生存のための二元論もあったであろう。

 古代の為政者は、農耕の主催者のため、一年レベルのスケジュール管理が必要となる。
 季節の暦ならば、一年の間に、寒暖の2つの陰陽があり、その寒暖の陰陽を、毎年繰り返すことは齢を重ねれば、容易に経験上知ることが出来る。

 さらに、陰陽はお互いに移り変わるため、寒暑の移行の中間段階を入れて、春夏秋冬の4つの季節に一年を分類出来る。
 一日の間だったら、朝昼夕夜と循環する。
 方位ならば、東西南北に分類出来る。

 

 

 

 

 時間でも空間でも、こうした4つの要素があることは、自然を観察していれば、理解出来る。
 西洋では、木火土金水の五行ではなくて、地水火風の四元素が、今でも占星術錬金術の原理として残っているが、同じ理屈である。

 中国文化圏の場合は、これにプラスして、時間や空間で、さらに中心の要素を入れた。空間だったら東西南北の中央、時間だったら季節の変わり目の土用である。結果、元素は5つとなる。 

 春夏秋冬と東西南北のイメージは、寒暑のイメージで結びついた。北半球の中国大陸に住んでいる古代中国人からすれば、北に北上すれば寒くなり、南に行けば熱くなる。そして、それらは、まとめて、木火土金水の象徴で表現された。

 南は暑い太陽の夏で火で象徴される。

 北は寒い夜の冬で、水で象徴される。

 東は草木の成長の青春の春であり、木で象徴される。

 西は収穫の秋で、金で象徴される。

 中央の土用は万物の中心の土台の、土で象徴される。

 かくして五行の要素が出来た。

 ちなみに、さらに、陰陽でわかれば十干であり、月や木星軌道の12パターンの象徴である十二支と組み合わせれば、一巡するのは、最小公倍数の六十干支となる。
 現代日本の今でも、今年は子年ですという、あの干支の体系がこれである。

 

 

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 災異説におけるコロナ論 まとめ

 

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